スコア+パート譜セット
【編成】
コントラバスとマリンバの二重奏(Contrabass/Double Bass and Marimba)
【難易度】4.中級〜上級者向き
【作品名】「響宴」 マリンバとコントラバスのための “Tone Feast” for Contrabass and Marimba
【作曲】
小室昌広 (Masahiro Komuro)
【演奏時間】約10分
*この曲は「響宴」と題された演奏会の為に打楽器奏者梅津千恵子さんからの委嘱で作曲しました。
*作曲するにあたり、メキシコやイタリアの曲が並ぶプログラムのなかで、日本の情緒を含んだ音楽とすることを意識しました。また、ビバルディの協奏曲の様式を踏まえて、緩・急・緩・急の4つの楽章をもつ構成にしました。各楽章とも2分前後の短い楽曲となっています。
*マリンバとコントラバスは、残響の豊かさ、素材として木と金属の両方を使う、打楽器的用法と歌謡的用法を兼ね備えるなど、いろいろな共通性をもっています。両方の楽器で交互にフレーズやモチーフを受け渡すことで、音色や奏法の比較を楽しめる構成にしました。両者の主従関係も頻繁に入れ替わり、スリリングな展開となっています。
*4つの楽章は異なる教会旋法を用いています。調号としては1・4楽章がフラット3つ、2・3楽章がシャープ2つです。これによってマリンバとしてはオクターブ内で全曲を通して使わない鍵盤はないことになります。一方で各楽章で主音として扱う音はコントラバスの4つの開放弦の音で割り振られていて、各楽章が異なる調べを持ちます。
*譜面上では全曲を通して臨時記号をひとつも使っていません。各楽章が音階中の7つの音だけでできているということです。教会旋法が醸し出す独特の響きが素直に現れてくると思います。
第1楽章、祈祷(incantation)→
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瞑想へさそうようなリズムの繰り返しに、読経のような旋律が絡んでいくきます。前打音の表情に楽器の特質が活かされています。Gフリギア調。
第2楽章、おどり(dance)→
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日本の各地で聞かれるお囃子のような音楽。マリンバもコントラバスも広範囲の音域を網羅できる特質があり、これを活かした華やかな響きを目指しました。Aミクソリディア調。
第3楽章、うた(song)→
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両方の楽器にヴィブラートの効果を求めた特殊な奏法を要求しています。玄妙な空気感をもった音楽が静かに高みに登っていきます。Eドリア調。
第4楽章、ジャズ(jazz)→
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Dロクリア調という特異な旋法を用いたジャズ風の音楽。途中で一瞬以前の楽章が回想されます。
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